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Vol.28 アグネス・チャンさん

芸能活動のみならず、幅広い社会活動で有名なアグネスさん。ユニセフ協会大使になる前から、世界中の苦境に立つ子どもたちを援助し続けています。自らも三人の男の子の母であるアグネスさんに、愛と平和、そして命の尊さについてお話を伺いました。

歌の翼を借りて世界平和を訴える

私がボランティアを始めたのは中学生のときです。覚え始めたギターで歌を歌ってチャリティコンサートに参加したりしていました。

そのコンサートでスカウトされて歌手になったのですから、ボランティアが私の原点だと思います。

デビュー後、テレビのチャリティ番組の企画で、飢餓に苦しむエチオピアを訪れたのは一九八五年のことです。目の前でたくさんの子どもが死にました。そのときの私は本当に何もできず、自分の無力さを痛感するだけでした。どうすればこんな悲劇を繰り返さなくてすむのだろうと思いました。今でもその答えを探しながら平和活動をしています。

あの旅から二十年以上も経ちますが、気持ちはまったく変わっていません。ユニセフの協会大使になってからはますます平和に対する思いが強くなりました。少しずつ前進しているとは思うのですが、戦争は未だに繰り返されるし、平和を望む人が一生懸命努力しても、まだまだ足りないのですね。いたちごっこです。悲劇が続く限り私の活動も終わりません。

デビュー三十五周年を迎える今年は、歌もコンサートも、私がもっとも大切に思っている「平和と生命」をテーマにしました。

これまでは、芸能活動と社会活動は分けていたのですが、今年一年はこの二つをドッキングさせて、歌を歌うアグネスと、平和活動に真剣に取り組んでいるアグネスを、両方感じられるようにしたいと考えています。

スタッフも納得してくれました。歌は人々の心を結びますからね。言葉も要らないし、国境も、時間も、争いも憎しみも全部超えられる。いろいろな体験の中で自分がそう実感しているので、今回も歌の翼を借りて多くの人達に平和について考える気持ちを持ってもらいたいと思います。

戦争がどんなに悲惨か知っている人達は、平和の大切さがわかっています。でも、私も含めて戦争を知らない世代や民族は常に意識してメッセージを発したり受け取ったりしなければならないのです。

エネルギーを怒りに変えるか愛に変えるか それは自分が選ぶこと

最近もアメリカの銃乱射事件、長崎市長襲撃と、惨忍な事件が相次ぎました。人が憎しみや怒りにかられて他者を傷つけるのは本当に哀しいことだと思います。

人間誰しも困難にぶつかりますが、そのときの解決法の選択肢を広く持つことが大切だと思います。辛いとき、どうやって闇の中から抜け出すかということです。

光は自分の中にあります。誰かを大切にすることを知ってほしい。そうすれば自分だけが辛いとは思わなくなるはずです。

私は世界中の悲惨な子どもたちを見て歩いてきて、闇に落ち込んでいる人に、一番辛いのはあなたじゃないと言い切れます。母親の背中におぶさったまま後ろから撃たれて死んでしまう赤ちゃんもいます。生まれてから一度もお腹がいっぱいになったことがない子だっています。

学校へ行ったことのない子も、五、六歳から人身売買で性的に搾取されている子もいるのですからね。どんなに苦しくたって、大人なのだから、できることがいっぱいあるはずです。自分のエネルギーを怒りに変えるのか、愛に変えるのか、その選択一つで幸せになるかならないかが決まると思います。

もちろんそういう選択肢を持つには、誰かから無償の愛を与えられたり、教えてもらったりしなければ無理でしょう。だから私は子どもには愛やいいものだけを与えて育てたいと思います。

健康は食から いただいた体を大切に使いたい

私の健康管理は食が基本です。中国には「食べ物は天と同じくらい大切である」という考え方があります。私の母も、家族の体質に合わせた食事の工夫をして、私たち兄弟を育ててくれました。「薬膳」というと大変なことのようですが、中国ではごく普通の健康管理であって、薬ではありません。

基本は「五色五味」。青、赤、黄、白、黒の五つの色、酸(すっぱい)、苦(にがい)、甘(あまい)、辛(からい)、鹹(しょっぱい)の五つの味を取り揃えて毎日食べるということを守っています。そうすると、いろいろな食材を使うようになり、料理もバラエティに富んでくるのです。

また、中国医学は「体質」をとても大切にします。人の体質は、熱(のぼせやすい)、寒(冷えやすい)、実(エネルギーが余っている)、虚(エネルギーが足りない)、湿(水分がたまっている)、燥(乾燥している)の六つに分類され、家族一人ひとりが持っている特徴は違います。必要な食材も違うということです。例えば私は、「寒、虚、燥」を組み合わせた体質なので、身体を温め、栄養があって潤うものを積極的に摂る必要があります。足りないものを補っていい塩梅にもっていくのです。自分にとっては宝でも、人にとっては毒ということもありますから。

うちの家族も五人とも違う体質です。三人の子どもたちは、一番下の子はまだ私のサポートが必要ですが、上の二人はもう大きくなって、自分で考えて食べているようです。難しいことはなく、親が実践していれば子どもも自然に覚えます。私の料理は「簡単、早い」がモットーで、少しも苦になりません。料理だけではなく、どんなに忙しくても家のことは大変とは思わないですね。

昨年「唾液腺腫瘍」という病気を経験しましたが、あまり「病気をした!」という実感がありません。幸い良性であったこともありますが、回復がとても早かったのです。手術後二週間で仕事に復帰して、もうフル回転でしたね。普段の食生活がよかったからだと思っています。

100%の健康はあり得ません。私は「未病」が一番いい状態だと思います。完璧を望んだら罰が当たります。いただいた身体をできるだけフルに長く使えるように、というくらいの気持ちで毎日を過ごせればありがたいと思います。

取材を終えて

昨年手術を受けたとは思えないお元気さと美しさは、マネージャーさんが「元気すぎて僕がなまけているように見えるくらい」とおっしゃるほどです。

並外れた知性と歌唱力は周知の通りですが、世界平和に、苦境に立つ子どもたちの為に、持てる力のすべてを捧げていらっしゃる情熱が、ひしひしと伝わってきました。アグネスさんの社会活動の歴史を振り返るとともに、世界中の子どもたちの現状が痛いほど伝わってくるご著書「みんな地球に生きるひと」(Part1~3、岩波ジュニア新書)は、ぜひ多くの人に読んでいただきたいと思います。

米国スタンフォード大学の卒業式。アグネスさんは教育学部で教育学博士号を取得した。その働く女性と家庭、育児の問題についての博士論文「日米高等教育の比較研究」は、同大学の労働経済学者マイラ・ストロバー教授との共著「この道は丘へと続く」(共同通信社、2003年)にまとめられている。

どこへ行っても、困難に直面している子どもたちに寄り添い、現状をくまなく探る。それを一人でも多くの人に伝えるのがユニセフ協会大使の務め。

2006年、エイズ感染率が世界で三番目という南アフリカ・レソト王国を訪れた。もともと孤児は村中で育てる習慣があったが、エイズ蔓延以来、感染の恐れのある子を受け入れる家族が激減。ここに集まった子たちがみんな孤児だった。

アグネス・チャン(51歳)香港生まれ。1972年「ひなげしの花」で日本デビュー。上智大学国際学部を経て、カナダトロント大学(社会児童心理学科)を卒業。84年国際青年年記念平和論文で特別賞を受賞。

芸能活動のみでなく、ボランティア活動、文化活動にも積極的に参加する。89年米国スタンフォード大学教育学部博士課程に留学。教育学博士号(Ph.D.)取得。エッセイスト、大学教授、日本ユニセフ協会大使として、芸能活動以外でも幅広く活躍中。

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