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加藤剛
いくつもの人生を生きる、
これこそ役者冥利

今回のインタビューに際し、ご自身のスタジオを開放して取材陣を迎えてくださった加藤剛さん。押しも押されもせぬ大スターのこまやかなお心配りに、一同大感激でした。静かな語り口、穏やかな笑顔、たたずまいすべてから優しいオーラを放つ加藤さんに、俳優生活47年、常に新たな役に挑戦し続ける原動力を伺いました。
Vol.38(2009年11月)

自分に役を呼び込み、役の人生を生きる

新しい役に向かう時、僕は自分をきれいに掃除して白紙にし、その役を呼び込み、「宿らせる」という作業をします。これが案外難しくて、前の役がなかなか去ってくれない場合もあります。

例えば、島崎藤村の『夜明け前』という作品を舞台で演じた後、主人公の青山半蔵は僕の奥に入ってしまって出てきませんでした。クリスマスに千秋楽を終えたのに、次の年のお正月が来ても半蔵さんは僕の中に居座っていた。表現にたいへん苦労した役ということもありますが、半蔵が生きた明日の見えない激動・渾沌の時代と、劇を上演した90年代後半は、とてもよく似ていました。だから、半蔵の悩みにより深く共鳴して、僕は役に入りすぎてしまったんです。

ほかにも思い出に残る役はたくさんありますが、司馬遼太郎先生原作のTVドラマ『関ヶ原』の石田三成役も忘れられません。それまで悪人的な歴史的評価だった三成は、あのドラマで「正義の人」というイメージに変わりました。もちろん、司馬先生がそう描かれたわけですが、僕もその“役”の“弔い合戦”という意気込みで挑んだ甲斐があって、嬉しかった。NHK大河ドラマ『風と雲と虹と』の平将門も、“悪い人”から“民衆に愛され、民衆とともに生きた男”という評価に変わった役。忘れがたいです。

それにしても、この体にいくつ役を呼び込み、いくつの人生を生きてきたのかと思うと、本当に感慨深いです。まるで、子どもが「大きくなったら何になろう」というような新鮮な気持ちで毎回次の人生に臨める。これこそ役者冥利というもの。役者の道を選んだことは、自分の人生にとっても非常にプラスだったと思っています。

役者でなくても、読書や映画鑑賞を通して書物や劇中の人物の生き方を追体験することはどなたにもできますね。想像力を刺激し、心高揚する追体験……みなさんも大いになさってみてはいかがでしょうか。

作品はご自宅で形づくり、備前の窯に送って焼いていただくのだそうです。どんな出来上がりか、「子どもの帰りを待つような気持ち」とか。(写真左)
紀伊国屋演劇賞を受賞した「波・門・心--我が愛」三部作の上演台本。「日本のよい作品を取り上げて、演じたいと思うんですね。近代文学は宝の山ですから」と加藤さん。(写真右)

体調管理と同じくらい安らぐ時間も大切

年を取ると、当然ながら若い時できたこともできなくなります。でも、逆に年齢を重ねたからこそ、違う角度からアプローチができるようになる。だから僕は「ライバルは若い時の自分」と思っています。

体力的に衰えてくることは否めませんし、体調管理は表現者として基本の作業ですから、日々の食事や睡眠時間に気を遣い、体を動かすことを心がけています。歩くことが一番体にいいように思えますね。2001年に日本地図の父、日本を歩測で測った伊能忠敬の役を演じたこともきっかけとなって、1日30分以上歩くのが日課になりました。

仕事を忘れて気持ちが安らぐ時間も、健康のためには必要ですね。僕の場合は、ろくろを回して土を触っている時がまさにそれ。大岡越前の共演者である高橋元太郎さんが、陶芸はほとんどプロ級の腕前なので、数年前からご教授いただいています。

陶芸は、ものを創る楽しさだけではないんです。土に触ると人間としての素朴な感覚が戻ってくる気がして、時間を忘れて夢中になってしまう。形にした後にどう焼き上がるかわからない、予想のつかないところも魅力です。手が動く限りは続けたいと思える、大切な趣味になりました。

来年には、また新しい役が僕を待ち構えています。与えられた役を生きるために、申し上げてきたように体や心の管理をしながら、そろそろ準備を始めるところです。

 
 

1938年、静岡県生まれ。早稲田大学卒業後、俳優座養成所へ。1962年、TVドラマ『人間の条件』の主人公「梶」役に抜擢され、脚光を浴びる。以後、舞台、映画、TV等、幅広く活躍中。紀伊國屋演劇賞、芸術祭賞優秀賞、読売演劇大賞等、受賞多数。2001年には紫綬褒章、昨年は旭日小綬章を受章。著書に『こんな美しい夜明け』(岩波現代文庫)ほか。来年6月、東京三越劇場での『異聞浪人記』(原作:滝口康彦、脚本・演出:金子良次)の主演に向けて意欲を燃やす。

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