17歳のとき日本で歌手デビューを果たしてから、45年。ここまで来られたのも、「一生懸命やれば明日は来る」という信念のもと、応援してくれた方々のおかげですね。
歌手、そして学生だった当時は寝る間もなかった。人生で眠れなかった時期はそのときと、3人の息子の子育て真っ最中のときの2回です。
ターニングポイントは十年前。乳がんの宣告を受けたときです。治療したものの、いつまた再発するかわからない。「残りの人生を、どうするか?」と人生の最期を意識して、終活の準備に入りました。
終活として始めたことは「君へのボックス」という、子どもたちに遺す箱づくりでした。ユニセフ大使として訪れた南アフリカのレソトという国では、死期の迫る母親が子のために母の匂いの残るもの≠集めて箱に遺していた。それを見て、すごく感動したんですね。
もし自分がこの世を去っても、楽しい思い出とともに笑顔で送り出してほしい。そう願い、子どもたちそれぞれに箱を作り、乳歯や、昔一緒に行った本屋のオマケ券など彼らとの思い出の品を入れています。その準備って楽しい時間ですよ。
こうして早目に整理と準備≠しておけば、安心してその後の人生が楽しめるはず。終活をしたことで「新しいことに挑戦しよう!」「好きなことをしてみよう」と、目標が生まれてきましたね。
|