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人生を懸命に生きる市井の人々から歴史に名を残す実在の人物まで、実にさまざまな役柄を演じてきた小林桂樹さん。
その俳優人生は六○年に及びます。出演した作品は、映画だけでも二六○本以上。テレビドラマでの活躍も周知の通りです。
現在七九歳。演技者として大ベテランの今もなお、真摯な気持ちで芝居に向き合うその姿勢が、
人の心を動かす演技に結びついているのかもしれません。
Vol.12(2003年6月)

「この頃、老人の役柄が多くなってきましてね。たとえば頑固で元気なじじいとか……。年寄りの役だから、死ぬ場面もあって、『今年はもう二回くらい死んだよ』なんて冗談言ってます(笑)。還暦の時も、七○歳になった時もどこか他人事のような気がしていました。いろいろな人物を演じ続けているうちに、歳のことなど忘れていたのかもしれませんね。

今のこの年齢になり、お年寄りの役をよくいただくようになってようやく、『なるほどなあ』と自らの齢を実感しているところです。考えてみれば、かつてお世話になった映画監督の小津安二郎さん、成瀬巳喜男さんなど六○代で亡くなっています。仕事をご一緒させていただいた頃、まだ若かった僕は監督さんたちを『じいさん』なんて思っていましたが、その時、あの方々はまだ五○代だったんですね。そして、いつのまにか僕は当時の彼らの年齢をはるかに越えてしまっている……。不思議な気がします」

俳優の道を選んだのは十九歳の時でした。前橋中学四年在学中に父親が五○歳の若さで急逝。家庭の状況は一変し、経済的な事情もあって、小林さんは東京の新聞社で給仕のアルバイトを始めます。新聞記者をしていた伯父のつてでした。そして、その伯父から問われたひとことが、小林さんの進む方向を明確にするきっかけとなるのです。

「伯父に『おまえ、何になりたいんだ?』と聞かれたんです。銀行の外交員だった父は、僕を進学させて自分が果たせなかったエリート銀行員になる夢を実現させたかったのではないかと思います。しかし、その父も亡くなり、僕は途方にくれていた。何をやりたいんだと聞かれても、その時は何も考えていませんでした。そしたら伯父が『好きなものはないのか?』と言うんですね。それで『映画とか芝居が好きだ』と答えると、『それいいよ。好きなことをやれば悔いはないんだから』と……」

母親は映画雑誌を定期購読するほどの映画好きで、小林さんも幼い頃から映画館にはよく連れていってもらいました。そんな環境の中で、映画や芝居への興味も育まれていったようです。

 伯父の言葉に背中を押されるように、小林さんは俳優を志し、映画会社の試験を受けます。三つの映画会社に願書を出し、一つだけ合格したのが日活でした。そして一九四二年にデビュー。
 以来、今日まで俳優としての年輪を積み重ねてきました。その演技に対し、高い評価と共に数々の賞も授与されています。

「俳優をやめたほうがいいと言われたこともあるんですよ。二四歳の頃だったか、川口松太郎先生に『きみは俳優には向かない。いっそ私の秘書になってはどうか』と勧められましてね。親切心でおっしゃってくださったんでしょうが、ショックでした。

だけど、『いや、僕は頑張って俳優を続けるんだ』と決意も新たにできたわけだし、あの時に言われた言葉は励みにもなりました。たしかに僕は本質的には俳優には向かないのかもしれない。でも、力のあるなしにかかわらず、ひとつひとつの芝居、役柄にそのつど一所懸命に取り組んできた。今にして思えば『継続は力なり』ですね」

現在、撮影の現場、とりわけテレビドラマでは共演者もスタッフも小林さんよりうんと年下の若い人たちばかりです。

「俳優という職業は、年齢に関係なく若い人と一緒に同じ状況の中でやっていかなきゃならない。それなりにエネルギーはいります。僕くらいの歳になりますと、疲れてるとか、どこか痛いとか、元気じゃない時もあるけれど、それを鼓舞しながらやっているわけです。でも、自分の体をとくに強靭だとは思わないけど、さほど不安感もないんです。

健康診断をすると、血圧、血糖値、尿酸や肝臓の数値など、年齢からすると健康そのものなんだそうです。そんな僕のことを周囲の者は『健康優良じじい』と呼んでいますが(笑)」

その小林さんも、二十年前に一度だけ入院生活を経験しています。ゴルフで腰を痛めた時、お酒を飲んで冷房をつけたまま眠り込んだら、体が冷えて腰の痛みが悪化。病院ではリウマチ系の病気だと診断されました。二○日間入院しましたが、幸いに、以後は何ともないそうです。

「この入院の時は、人が歩いているのを病室の窓から眺めながら、自分も早く外を歩き回りたいと切実に思いました。信号待ちの人まで羨ましく思えるんです。ずっと健康できていたので、余計にそう感じたんでしょう。

ところがいざ退院となり、病院のまわりを歩いてみると、ヨロヨロしてしまう。入院中に足も体力も弱ってしまったんですね。これじゃ芝居も何もあったもんじゃないとあせりました」

今も実践している毎朝のウオーキングはそれ以来の習慣です。
 四年前、小林さんは胸の痛みを感じ、「狭心症の可能性あり。心筋梗塞になるかもしれない」との医師の診断で、出演予定の舞台を無念の思いで降板しました。ところが精密検査の結果は「異常なし」。たまたま多忙で疲労が重なったための体の不調だったのでしょう。

「でも少しは自分の体を考えるようにはなって、六○年吸っていたタバコをやめました。といっても、歳のわりには大食いだし、晩酌もビールの中瓶を二本。家内がわりあい健康意識が強く、『これを食べるといい』と勧めるのを、僕はぼんやり従っているだけですが、まあまあ普通に健康的な生活は送ってるんでしょうね。

悩み事があっても横になるとすぐに眠れるタイプで、夜は八時は寝ちゃうし、朝は五時には実にすがすがしく起きられますから」

さて、仕事では四月末から『母のいる場所』という映画の撮影に入っています。小林さんは、痴呆症になった妻に寄り添い、介護する夫の役どころです。

「若い人がほとんど出ない、年配の方ばかりが登場する映画です。最近はお年寄りに焦点を当てた作品が多くなってきました。時代の反映でしょう。これから僕に与えられる役もこうしたものが多くなってくるのでしょうが、僕も老いていくわけだし、そんな自分の実感も役柄に沿わせながら、俳優としてお年寄りの気持ちをうまく演じていければと思っています。

それと、われわれの仕事は経験と共にだんだん上手になるというものではなく、むしろ長くやるうちに自分の中の『馴れ』が足を引っ張ることもある。僕も時々、反省するんですよ。若い頃、先輩に教わったことに立ち返りながら、俳優として与えられた役に応えるべく、『これでいいのか』と自分を監視する姿勢をこれからも忘れずにいたいですね」

 
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