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吉沢 久子さん

家事評論家。1918年、東京生まれ。文化学院卒業。文芸評論家の古谷綱武氏と結婚後、伝統的な技術や智恵を大切にしながら、現在の生活に生かす提案をし続けて約50年。『NHK今日の料理』の講師や、生き方の講演と幅広く活躍している。近年は心豊かにシニアライフを送る著書を多数執筆。『85歳、老いを楽しむ人づきあい』(講談社)、『老いかた上手』(経済界)、『吉沢久子の簡素生活』(海竜社)、『ひとりで暮らして気楽に老いる』(講談社)、など。

元気に、軽やかに、気持ちよく老いの一人暮らしを楽しみたい
   戦後間もない頃から今日まで、「暮らしを大切に」という視点から、様々な生活を
提案し続けてきた家事評論家の吉沢久子さん。老後の経験から学んだ生き方や考え方は、
多くの方から共感を得ています。86歳の現在、仕事も家事も軽やかにこなしながら、
一人暮らしを楽しんでいらっしゃる吉沢さんに「老いかた上手」の秘訣を伺いました。
一人暮らしで得た自由な時間
 

 姑に続き夫を見送って20年。以来、子どものいない私は気ままな一人暮らしをしています。歳をとっての一人暮らしは、さぞかし寂しいのでは? と思う方もいらっしゃるようですが、とんでもない。自分のためだけに使える時間がたっぷりあるこの暮らしを、私はとても気に入っています。

 家族がいた頃だと、こうはいきませんでした。昼間は仕事をこなし、終わればすぐに家に帰って、着替えもしないまま台所に立つなんてことがよくあって、仕事と家事で時間に追われるばかり。なにしろ北海道や鹿児島での仕事でさえ、いつも日帰りだったんですから。それが、姑の介護や夫の世話など、家族のために忙しく動き回ることから解放されてみると、1日24時間がまるごと自分のもの。そのことに仰天してしまいました。

 大阪で講演を終えたあと、夕食の準備に間に合うよう、あわてて新幹線に乗らなくていい。そのまま泊まったっていいんです。「私にもこんな自由があったのか」と、何だかとても軽やかな気分になりました。

 夫を失った哀しみは哀しみとしてありましたが、新たに得た自由な時間は自分のものとして大切にしよう。そう気持ちを切り替えると、自分のために献立を考えて料理をすることも、誰に邪魔されることなく沈み行く夕陽に変化する空の色を眺めることも、かつての忙しい日々から考えると、なんと贅沢なことだろうと思いました。このゆとりの時間は亡くなった姑や夫がくれたプレゼント、そんなふうに私は思っています。

歳だからこそ必要な努力も
 

 私が自分の「老いじたく」を強く意識するようになったのは70代後半の頃でしょうか。体の衰えをはっきり自覚するようになってからです。物を取ろうとして手を上に伸ばすと、体のバランスを崩す。道を歩いていて前から来る自転車をよけるのにモタモタする。これは年とともに行動の意思決定力が鈍くなったせいですね。

 そういえば姑が生きていた頃、ちょっとしたことで転ぶのを見て、「どうしてあんなところで転ぶのかしら」と不思議に思ったものでした。姑が庭の手入れに使ったスコップを置き忘れて、「どこに置いたかわからないのよ」と毎度のように言うのを、「あらまあ」なんて呆れ顔で聞いていたのに、それが今となっては、自分がまったく同じことをやっています。そうして自分の老いを自覚すると同時に、一人暮らしであればなおのこと、「今後のことを考えて、きちんと備えなくては」と、私は気持ちを引き締めたのです。

 老いの日々を一人で生きるには、健康であることが第一です。歳を重ねるごとに体が衰えていくのはやむを得ないにしても、それを遅らせることはできるはず。そのためには意識して体を使い、動かすのです。と言っても特別な体操をする必要なんてありません。たとえば、ハガキ1枚だけでもポストまで自分で出しに行く。家事も一生懸命こなし、庭仕事もせっせとやる。そんな日常を過ごしていれば、それだけで充分な運動量になっているはずです。

 私は去年、転んで足を痛めてしまったのですが、1日も寝込まず、食事も毎日自分で作りました。人に頼んですべてやってもらうと楽かも知れない。だけど、私の年齢では、寝込んで人任せにしていると、そのまま立ち上がれなくなるような気がしたのです。「もう歳だから何もしない」のではなく、歳だからこそ、明日も力をもち続けようとする努力が必要ではないかと思うのです。

どんなことも楽しみに変える
 

 私は狭い通りにも入っていく路線バスが大好き。バスに乗った目線で外を眺めると、家々のいろいろな暮らしが見えて、飽きることがありません。バスに限らず、私は些細な事に対しても楽しむことができる性格のようです。何事にも興味を抱き、楽しもうという気持ちが強いというか……。これも老いを軽やかに生きるコツの一つでしょう。

 元気でいるためには、「食べること」も大きなポイントです。エネルギーを入れなければパワーは出ない。食べることに関心が薄くなったら、やっぱり体も衰えるのではないでしょうか。私は作るのも大好き。原稿の筆が進まない時などは、台所に立って常備菜を作ったり、料理はかっこうの気分転換になります。

 もちろん、外に食べに行くこともあります。そんな時につき合ってくれるのが「食べ友達」。また、自分で多めに作った料理を「ちょっと食べてみない?」と気軽に言える「おすそ分け友達」も近くに住んでいるんですよ。一人暮らしの身であればなおのこと、おいしいものを一緒に味わえる「食べ友達」は絶対に必要です。

 友達と言えば、夫が60代になった頃、歳をとったら友人も少なくなって寂しくなるし、一緒に勉強をする仲間がいたらいいんじゃないかというので、古代史を勉強する集まりができました。やがてそれが「むれ」という勉強会に発展し、各自、興味のあるテーマを研究するという形で、35年経った今もなお月に一度、メンバーが集います。

むれの会では発表会の後、当番の人がご飯を作ってみんなで食事をします。いくつになっても勉強したいという気持ちは若さに通じます。このような集まりを置きみやげにしてくれた夫には感謝しています。

 歳をとると、何事も若い頃のようにはいきません。だけど、マイナス面ばかり考えても仕方のないこと。それより、自分ができることに目を向けたいですね。一人でゆっくり絵画を鑑賞できる幸せ。住み慣れた町に新しいお店や建物ができたことで得られる小さな幸せ。同じ老いを生きるのなら、楽しまなきゃ損。それに自分の残り時間を考えるようになった今だからこそ気づく幸せや、楽しさもあるのですから。

取材を終えて
 

 ご自宅に伺っての取材でした。玄関横の小さな菜園にはサラダ菜やセリが繁り、キュウリやミニトマトの苗もツルを伸ばしていました。一人の食卓には充分な収穫量になりそうです。

 また、庭では水鉢でメダカが飼われていました。なぜメダカを? 老後の一人暮らしは、一歩間違えると、ズルズルとだらしなくもなりがち。そういう時、命の責任を負う生き物がいると、自分の生活がルーズにならなくて済むのだとか。犬を飼うのもいいけれど、旅行で留守をする時が大変。メダカなら1週間は餌をやらなくても大丈夫ですものね。一人だからこそ、自分を律することが必要だという吉沢さんの言葉に納得。

 吉沢さんは、ずっと前からすでに遺言書も書いてあるそうです。「自分が死んだあとのことをきちんと書類にして残しておくことは、一人暮らしの高齢者なら当然のこと。これね、残る人に対するマナーでもあるんですよ」と、誰に対しても気配りを忘れない吉沢さんは、まさに“老いかた上手”。自覚と責任をもって、やるべきことをきちんとやってこそ、一人暮らしの老いを楽しめるのだと知りました。

 

 
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