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吉沢久子の老いを楽しむイキイキコラム
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 ときどき、デパートの駅弁大会などという催しに、「大村ずし」が出ているのを見かけている方も多いことでしょう。
 私は、庭先の山椒が芽吹きはじめると、まっ先に思うのが大村ずしなのです。私たち家族は「箱ずし」と呼んでいますが、私が姑から伝えられた料理のうちのひとつで、毎年、五月五日に作っていました。ちょうど端午の節句※が夫の誕生日で、その日は友人たちとの会食を楽しんでいましたので、人がたくさん見えたし、ご近所にも差し上げたいお宅があったので、一度にたくさん作れる箱ずしは、一番ぴったりのおもてなし料理でした。

 外交官の娘であった姑は、両親が外国勤務の間の一時期、日本の女性としての礼儀作法などを教えてもらうため、昔の大村藩(現・長崎県大村町)ゆかりのご大家に預けられたそうで、そのとき覚えたのだとのこと。

 姑の記憶を頼りに知人の建具屋さんにに作ってもらったすし箱は、一度に三十人前は楽に作れる大きさ。おすしの材料を用意するだけでも大変だということを計算せず、藩のご家老格のご大家と同じ大きさのすし箱を作ってしまった私は、何とも間の抜けた失敗をしたのでした。でも、教えてくれた姑はそれしか知らなかったのですから、致し方ありません。

 材料は季節によって違うそうですが、私が教えられたのは春から初夏にかけての材料で、生魚は鯛、野菜は筍、蕗、うど、椎茸(むかし椎茸は春の茸でした)、彩りのにんじん、ほかに海苔、錦糸卵と山椒をたっぷり。量はご想像にお任せしますが、錦糸卵だけでも三十個分の卵を焼きました。ちなみに一人暮らしの今は、小さな押しずし用の箱で、材料もあり合わせでちまちまと作ったりします。

すし箱は、もうかれこれ40年も使っています。3段で30人分、30升以上のお米を炊かなくてはなりません。
 材料の鯛は三枚おろしにして皮をはぎ、酢洗いしてそぎ身に、野菜はそれぞれうす味に煮て材料のすべてを別々にバットに載せ、大きなビニールシートを床に敷いた上に並べて、という具合に用意万端整えて姑を呼びます。そして、座布団を敷いてゆったり座り、おもむろに箱につめる姑の手つきを私は真剣に見て、味の取り合わせや彩りの美しさを作る方法を学びました。

 箱の底にすし飯、野菜類を上に敷き詰め海苔をかぶせ、またすし飯を入れ、その上は鯛、海苔を重ね、最後は海苔が見えなくなるほどに錦糸卵、そして山椒を散らすと表面に菜の花畑のような美しさでした。

昨年このすし箱で作り方を亡夫の友人の娘さんに伝授しました。
 これを三段作り、重石をかけて落ちつかせ、五センチ角くらいに切り分けるのです。私もこの箱ずしを誰かに伝えておきたいと考えていましたが、幸いに昨年その願いがかない、亡夫の友人の娘が覚えておきたいと申し出てくれました。


 駅弁大会などで大村ずしを見つけると、すぐ買って食べてみますが、採算抜きの姑の大村ずしとは違い、わが家の味がなつかしくなります。でも、そういうのが家庭の伝統料理なのだと私は思います。

※【端午の節句】古くは菖蒲、よもぎを軒に挿して邪気を払う風習から江戸時代以後、「菖蒲」と「尚武」をかけ男子の節句に転じた。ちまき、柏餅を食べたり、菖蒲湯を浴したりする。
 
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