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Vol.17 毒蝮三太夫さん

毒蝮 三太夫さん

1936(昭和11)年、東京品川生まれ、浅草育ち。本名、石井伊吉。12歳の時、舞台「鐘の鳴る丘」でデビューし、高校時代は東宝、大映の青春映画に出演。日本大学芸術学部映画学科卒業。'68年「笑点」出演中に、立川談志氏の助言で「毒蝮三太夫」に改名。テレビ「ウルトラマン」にアラシ隊員役で出演。'90年、浅草芸能大賞奨励賞受賞。日本老年行動科学会特別顧問。聖徳大学短期大学部客員教授。現在、TBSラジオ「ミュージックプレゼント」、NHK教育テレビ「福祉ネットワーク」に出演中。

若くて元気なババアでいたけりゃオシャレして出かけることだぞ!

毎週月曜から金曜日、午前10時半から約30分間。TBSラジオ「ミュージックプレゼント」でスーパー、商店、工場などへ行き、35年間マイク1本で生放送を続けている毒蝮三太夫さん。主に中高年を相手に「汚ねぇババアだ」「くたばり損ないのジジイ」などと毒舌をふりまく「ジジイ・ババアのアイドル」は、この35年間病気で仕事を休んだことは一度もないという。そんな元気で不思議な魅力をもつ、毒蝮さんにお会いしました。

無理して摂生するよりもバランスの方が大事だ!

俺が元気なのは、生来体が丈夫だからだよ(笑)。こんなこと言ったら、健康話はここで終わっちまうって?でもなぁ、これといって健康でいるための努力はしてないぜ。

今でこそ元気だが「ガキの頃は病弱だった」っておふくろが言ってた。発疹チフス、猩紅熱といった法定伝染病はガキの時に一通りかかったよ。今はそんな伝染病にかかる人はいないけど、戦争直後は流行っていてさ。それで一ヶ月くらい入院したかな。40度くらいの高熱が続いて、体温計の目盛りが突き抜けるかと思ったよ。それくらい生死をさまよう病気だった。今、俺がもしもこんな大病で倒れたら、きっとババアたちから「マムちゃんが、私たちよりも先にくたばったわよ」なんて言われちまうだろうな(笑)。

体が頑丈になってきたのは、大学2年生くらいから。昔っから食べ物の制限なんかしないで、飲みたければ飲む、遊びたかったら遊ぶ。「摂生」って言葉があるけど、それは夜9時に寝るとか、体にいい物ばかり食べればいいってことじゃない。それより、バランス良く何でも食べること。偏った食生活が一番良くないと思うんだ。健康に気を遣い過ぎて、ストレスを溜めるようじゃ意味ないからな。

健康のために何もしないとは言っても、時々スポーツジムに行く。だけど、『マシーンでジョギングをしなくちゃいけない』とか、そういう強制的な気持ちじゃなくて、『泳ぎたいから泳ぐ』ってふうに楽しんでやってるよ。時には『今日は疲れているからサウナに入って、湯船に浸かるだけにしちゃおう』なんて息抜きのために行く日もある。生きるとか、健康とかにとらわれず、バランスよく毎日を過ごすことが大切だと思う。

プールに行くと、ババア連中がいい年して派手な水着なんか着てさ、水の中を歩いているんだ。今で言う「水中ウォーキング」ってヤツだな。足腰に負担をかけないで筋肉を鍛えられるってんで、ババアどもに人気があるらしいけど、そうやって今から三途の川を渡る練習でもしているのかね(笑)。

今時のババアがなかなかくたばらないのには訳がある

健康法っていうと、運動したり、薬を飲むとか食事療法とかいっぱいあるけど、そういうことじゃなくて、健康であるためには、体だけでなく心も元気でいないと意味ないよ。

俺が元気でいられるのは、人に見られる仕事をしているからだとも思う。舞台に立った時、背中を丸めて上がれば、「なんだあいつ、年齢以上に年とってるな」って思われるのは格好悪いから、背筋を伸ばすように気をつけている。そういうシャレっ気が、元気の源になっているかもしれないな。

年とりゃ誰だって、腰だのヒザだの、どっかしら痛くなるよ。俺だって、去年の春に野球で骨折しちゃってさ。ガキの頃から野球が大好きでずっと続けてきたけど、それがあってチームからは引退。今となっては自分の体をいたわりながら、そして人に迷惑をかけないようにしている。

年をとったらそんな体と上手くつき合っていかなきゃ。だけど、そこで勘違いしちゃいけないことは、年寄りはただ大事にすればいいってもんじゃないよ。年寄りだから、あれしなさいだの、これしちゃいけないだのと言う人がいるけど、そんなの自分の好きにしていいの。

以前、ミュージックプレゼントで義足の娘さんが、お母さんを車イスに乗せて、スーパーに連れてきたんだ。これ、50代と80代の親子。はたから見たら、「そんな危ないことをして……」と思う人がいるかも知れない。だけど、そういうことをしないで家にじっとしている方がかえって老け込んじゃって、いじけた人生になっちまう。

あと、ファッションと健康を切り離しては、考えられないよ。例えばジジイ、ババアがラジオの生放送の現場まで来てくれる。来てもらうってことは、お出かけするってこと。やっぱり外出するとなれば、どの服を着ようかな?って考えて、顔に塗りたくって粉吹きイモみたいな顔で十分なのに(笑)。

それに紅をひき、頭なでつけてみたりしてさ。そういうハレの日があるからこそ、人に見られる緊張感がいつまでも若さと元気を保っちゃって、なかなかくたばらないんだろうな(笑)。

ジジイババアのアイドルが女子大生に教えていること

聖徳短大の客員教授として教えているのは、『福祉コミュニケーション論』という講義。今の19、20歳の女子大生は、核家族でお年寄りと一緒に住んでいない子が多い。そんな子が介護福祉士になって老人ホームやなんかへ就職できても、年寄りとどう接したらいいのか分からないらしい。そこで30年以上年寄りに接してきたタレントということで、俺に依頼が来た。

授業では、「『ババアくたばれ!』とお年寄りに言いなさい」って教えるんじゃなくて(笑)、どうやったら年寄りと上手くコミュニケーションがとれるかを教えているんだ。「おばあちゃん、お体を大事にしてくださいね」と言うだけが、コミュニケーションって訳じゃないんだよ。

「這えば立て。立てば歩めの親心」じゃないけど、例えば寝たきりのお年寄りを介護する場合、「ちょっとでも自分で立てるんだったら、立ってみましょう」と言ってベッドから起こし、うまく立てたら今度は歩かせてみる。それで歩けたら「ちょっと外へ出てみましょう」と言って散歩してみる。そしたら今まで歩けなかった人が、歩けるようになったりしているんだから。

『歩けるんだったら、歩きなさい』というのもコミュニケーションの取り方の一つなんだよね。俺は自立した高齢者を増やしたいから、介護の仕方より、予防法をみんなに知ってもらいたい。

俺はよく『人生八十年、寝てみて七日』って言ってるんだ。『人生八十年』は、八十歳までボケないで元気に生きる。ボケないためには、体が丈夫なら周りの人の役に立つように働く。そして、趣味をもってストレスを溜めない。大きな声で笑う。これはとっても大切なこと。それから、家にいないでどんどん外へ出る。自分の金は子供や孫に残さず、自分のために使うこと。

『寝てみて七日』というのは、人生楽しんで、一生懸命働いて、ある日バタっと倒れること。寝たきりになったりしないで、七日ばかり床について死ぬ。周囲にそれほど迷惑をかけずに「もう思い残すことはない」「人生を十分楽しんだ」と思って死ねるのが、俺の理想だな(笑)。

取材を終えて

「ミュージックプレゼント」は、TBSラジオ「大沢悠里のゆうゆうワイド」という番組の中で聞くことができる。週5日、お盆の時期も年末も放送する。番組のお休みは週末と、正月の三が日のみ。

その番組が今年10月で35周年を迎える。その間ほかのラジオ局では、まむしさんに対抗しうる番組を企画し、同じ時間に放送していたが、どの番組もマムちゃんファンをまむしさんから遠ざけることはできなかった。なぜか。答えはかんたん。観客との”まむしトーク“を聞いていると、元気が出るからだ。それはまむしさんの願いでもあった。

「東京聖路加病院の日野原重明先生っているでしょ。『生き方上手』の本を書いた人。先生は『医者はカルテばかり見ていたんじゃ、病気は治せない。患者の顔色を見て話をしなさい』って言うそうだ。俺は診察もできなげれば、手術もできない。だけど、ジジイババアを笑わせて元気にさせることならできるかもしれないって思った。それで、自分にできることを精一杯やってやろう!ってね」まむしさんは毒舌だが、そこには優しさとユーモアがたっぷり詰まっていることを私たちは知っている。だから、放送禁止ギリギリの”まむしトーク“に思いっきり笑えて、元気になるんだな。

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